アルティメット公式ルール

10. チェック

  1. 10.1. ファール、バイオレーション、コンテストが発生したターンオーバー、特定の条件下でのターンオーバー、コンテストが発生したゴール、プレイの中断、協議、もしくはタイムアウト終了時には、可能な限り速やかにチェックによってプレイを再開しなければならない。チェックの遅れが許容されるのは、コールに関する協議によってのみである。
    解釈:チェックが必要でないとき

    スローワーが正しいピボットの位置まで歩かないといけない状況でも、プルやターンオーバー後にチェックは必要ない。正しい位置に軸を置いたらすぐにスローワーはパスを出せてマーカーはストールカウントを開始できる。

    正しい位置に軸を置かなかった場合、トラベル・インフラクションである。

    軸を置く前にストールカウントを開始した場合、ファストカウントである。

    プレイを中断させないため、軸を置く前にスローワーやマーカーは軸の置くべきと思う場所を示すことが推奨される。

    ピボットポイントを確定させる前にスローワーが素振りやスローの動作を始めてはいけない(公式ルール 18.2.4.3 参照)。

    補足:「特定のターンオーバー」は 13.2 に挙げられている。

  2. 10.2. コール後に再開する際、選手の位置は以下の通りとなる(タイムアウトや他に特定の規定がある場合を除く)。
    1. 10.2.1. パスが投げられる前にプレイが中断した場合、選手はコールが発生した時点の位置へ戻らなければならない。
      Steinarのコメント(非公式!):Marker location after a call

      It's surprisingly common for a marker to magically have teleported to the optimal force position during a stoppage. This is not allowed; if you are on the wrong side for the force when the call happens, or two meters away from the thrower, you still need to be on the same spot when you check the disc in, and then you can set up the proper force while play is live.

    2. 10.2.2. パスが投げられた後にプレイが中断した場合:
      1. 10.2.2.1. ディスクがスローワーへ戻される場合、選手はスローワーがパスを投げた時点、もしくはコールが発生した時点の、どちらか早い方にいた位置へ戻らなければならない。
        解釈:コール後の位置

        ロングパスが投げられて、コンテストとなったレシービング・ファールが発生した場合、選手は投げた時点の場所に戻る(ディスクを追いかけてダウンフィールドに残るのではない)。

      2. 10.2.2.2. パスの結果が有効となった場合、選手はディスクの所有権が確立した時点、もしくはディスクが地面に落ちた時点の位置に戻らなければならない。
      3. 10.2.2.3. 反則に対するコールが認められた結果、スローワー以外の選手がディスクの所有権を得る場合、すべての選手は反則が発生した時点の位置に戻らなければならない。
    3. 10.2.3. チェックによってプレイが再開するまで、いかなる選手も上記の位置から動いてはいけない。
  3. 10.3. どの選手も用具の不備を正すため、プレイの中断を若干延長することができる(「イクイップメント」)。ただし、この目的で進行中のプレイを中断する事はできない。(ターンオーバー後はプレイが中断していないため、このコールは使用できない)
    解釈:不適切なイクイップメント

    不適切なイクイップメントとは例えば、ほどけた靴紐やわずかに曲がったディスク、靴が脱げてしまった場合が該当する。しかしながら選手には個人が着用している用具の安全性を確保することにより、そのような混乱を最小限に抑える責任がある。

    Steinarのコメント(非公式!):Switching discs

    If you're switching to a new disc, for instance because the previous one is damaged, it is often considered good form to send it over to an opposition player for a disc check before actually using it (3.1).

  4. 10.4. チェックに先立ち、チェックをする選手と最も近くにいる相手チームの選手は、自チームの選手がプレイ再開の準備ができているか、10.2 に定められている位置にいるかについて確認を取らなければならない。
  5. 10.5. チェックをする際に、一方のチームによる不必要な遅延行為があった場合、もう一方のチームは注意(「ディレイ・オブ・ゲーム」のコール)をすることができる。注意後も遅延行為が続いている場合、注意を行ったチームは、すべての選手が静止しており、かつ 10.2 に定められている位置にいる場合に限り、「ディスク・イン」とコールし、チェックをすることができる。この時、相手チームへの確認は必要ない。
    解釈:チェックの際の「ディレイ・オブ・ザ・ゲーム」

    事象:チームの作戦会議(誰を守るか、誰が次のパスをもらおうとするか)は不必要な遅延行為に含む。

    ディスクの後ろに立つことや回って時間を稼ぐことなどは不必要な遅延行為に含む。遅延しているのに遅延していないふりをするのは、やはり遅延行為とみなされる。

    コールの結果を解決するための協議は不必要な遅延行為ではない。

    結果:不必要な遅延行為をしているディフェンスに対する「ディレイ・オブ・ザ・ゲーム」コールの後に、スローワーは「ディスク・イン」とコールし、直ちにパスを出すことが出来る。

    補足:ディスク・インとチェックする前にすべての選手が静止し、正しい位置にいることを確認する必要がある。

    備考:このルールを適用する前に、相手チームに警告してこのルールを認識してもらうことが推奨される。

    Steinarのコメント(非公式!):Tactical discussions during a stoppage

    Teams are allowed to make tactical discussions during a stoppage, unless those discussions delay the check. A typical example would be that everybody is ready and the marker should tap the disc right away, but first shouts out instructions about who should cover the dangerous-looking upline cut. This would be a delay of game and should not happen.

  6. 10.6. チェックによってプレイを再開する際の方法は、以下の 3 つである。
    解釈:チェックの際の好ましい手順

    チェックする前に以下の手順を踏むことが推奨される。

    • 「オフェンス準備良いですか?」
    • 「ディフェンス準備良いですか?」
    • 「ストーリング x から始めます。
    • 「3,2,1 で入ります。」
    • ディスクに触れる、ディスクを地面に当てる、「ディスク・イン」とコールする、の内の適切な方法で行う。

    補足:チェックの際にディフェンスがディスクに触れる必要がある場合、ディフェンスは積極的にディスクに触れることを選択しなければならない – スローワーはディスクをディフェンスに当ててチェックすることはできない。

    Steinarのコメント(非公式!):地面に当てることで所有権を失った場合

    スローワーがディスクを地面に当てて所有権を失ってしまった場合、そのスローワーは再び所有権を得ることができる。

    1. 10.6.1. スローワーがディスクを所有している場合:
      1. 10.6.1.1. ディフェンス側の選手が手の届く範囲にいる場合、その選手はディスクに触れなければならない。
      2. 10.6.1.2. ディフェンス側の選手が手の届く範囲にいない場合、スローワーはディスクを地面に当てなければならない。その上で、「ディスク・イン」とコールしてもよい。
        解釈:地面に当てることで所有権を失った場合

        スローワーがディスクを地面に当てて所有権を失ってしまった場合、そのスローワーは再び所有権を得ることができる。

    2. 10.6.2. ディスクが地面にある場合、最もディスクに近いディフェンス側の選手が「ディスク・イン」とコールをしなければならない。
  7. 10.7. 一方のチームがチェックに関して以下のような状況にある時、もう一方のチームの選手は「バイオレーション」をコールすることができる。
    解釈:チェックする前に動いてしまったり正しくない位置に居たりしたことによるバイオレーションコール

    自分のチームの選手(自分自身を含む)が不適切な位置に居たりチェックする前に動いてしまったりしたからといって、公式ルール 10.7 によるバイオレーションはコールできない。

    1. 10.7.1. 10.6 に従った適切なチェックをせずにパスを試みた場合。
    2. 10.7.2. 最も近い位置にいる相手チームの選手の確認なしにプレイを再開した場合。
    3. 10.7.3. チェックの直前に移動した場合。
    4. 10.7.4. 適切な位置にいなかった場合。
    5. 10.7.5. このバイオレーションがコールされた場合、パスが成功する/しないに関わらず、ディスクはスローワーへ戻される(16.3.が適用される場合は除く)。
      Steinarのコメント(非公式!):Throwaway before check

      Note that the 10.7 says “may”, not “must”; you are generally not obliged to make a call in ultimate (turnovers are a notable exception; see 13.3). This means that if offense restarts play without having checked that defense is ready (and this is indeed clearly an intended restart, not just e.g. passing the disc to someone to have it checked, or fumbling it to the ground), and the resulting pass is a throwaway, defense may simply elect to never make a violation call, after which the turnover stands.