アルティメット公式ルール
1. スピリット・オブ・ザ・ゲーム
- 1.1. アルティメットは、接触禁止、セルフジャッジ制を用いた競技スポーツであり、すべての選手はこのルールに忠実でなければならない。アルティメットは、「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」という各選手のフェアプレイに対する責任感の上に成り立っている。
- 1.2. 本公式ルールは、いかなる選手も意図的にルールを破ることはないという前提で、意図的ではない反則に対する厳しい罰則は定めず、試合上で起こりうる状況を想定し、試合をスムーズに進行させるための方法を示している。
- 1.2.1. ルールや「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」に対する故意または重大な違反があった場合、両チームのキャプテンは話し合いのうえ、その結果がルールに沿ったものでなくても、適切な解決策を導かなければならない。
解釈:ルールの意図的またはひどい反則
意図的と考えられる反則は標準のアルティメットの試合において通常起こらない反則のタイプであると考えるべきである。また、ルールにおいて合理的に正当化するものはない。
例:オフェンス側の攻めているエンドゾーン内にてディスクの所有権を得ようとしているレシーバーに対するディフェンスがファールとなるようなひどく危険なプレイを犯した。
結果:レシーバーが所有権を得てゴールラインに移動する代わりに、キャプテンはレシーバーのゴールを認めることを要求することができる。
例:ターンオーバーにおいてマーカーをかわすために風上に距離を得る方向に、スローワーが故意にトラベルをした。
結果:キャプテンはターンオーバーが起きた場所ではなくディスクが投げられた場所から再開というように修正することができる。
例:他にオフェンス側の選手がいないにもかかわらずディフェンスが意図的にダブルチームを犯しブロックした。
結果:キャプテンはスローワーにディスクを戻させることができる。
Steinarのコメント(非公式!):Captain's clause
There used to be a “Captain's clause” where the two teams' captains could agree to play under any other set of rules, and many players seem to believe that it still exists; however, it has not been in the WFDF rules since 2001. This rule is the closest thing that exists, and it is applicable only in exceptional circumstances. Of course, any tournament could choose to play under non-WFDF rules as they choose.
- 1.2.1. ルールや「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」に対する故意または重大な違反があった場合、両チームのキャプテンは話し合いのうえ、その結果がルールに沿ったものでなくても、適切な解決策を導かなければならない。
- 1.3. 選手は競技者であると同時に、審判としての役割も担っているという認識を持たなければならない。協議が発生した場合、選手には以下のことが求められる。
- 1.3.1. ルール及びその精神を理解し、それに従うこと。
- 1.3.2. 公正かつ客観的に判断すること。
- 1.3.3. 正直であること。
- 1.3.4. 明瞭かつ簡潔に意見を述べること。
解釈:コールを立証するための根拠の準備
事象:コールをしたりコンテストとしたりする理由となった客観的な証拠を訊ねる際に簡潔に説明する準備をすることはよいスピリットであることの重要な要素である。
例:トラベルのコールをした後、もし訊ねられたらディフェンスの選手は「ディスクがまだ手に残っているのに軸が動いたのを見た。」と説明するべきである。
理由:客観的な証拠は妥当性において検証されうる証拠である。これは感情的なものや起きてほしいことに基づいてではなく実際に観察されたことに基づいてコールされたことを明白にする。
もし合理的な確たる客観的な根拠がないならば、コールをするべきではない。
補足:国際試合等で言語的制限があると選手がわかっている場合、ジェスチャーなどを通して相手選手が言っていることを汲み取ることができるようにするべきである。チームキャプテンやチームメイトはほかのチームメイトが間違っていたり、正しくない振る舞いをしたりしていないかどうかを気に掛ける必要がある。
- 1.3.5. 相手に発言の機会を与えること。
- 1.3.6. 相手の話を聞き、その視点を考慮に入れること。
- 1.3.7. 文化の違いを考慮し、敬意を持った言葉やボディランゲージを使用すること。
- 1.3.8. 問題の解決は効率的におこなうこと。
- 1.3.9. 試合を通して、首尾一貫したコールをすること。
解釈:試合を通じて首尾一貫したコール
事象:試合の状況を考慮せずにコールをするべきである。これは試合が接戦であったり得点が近かったりであるだけでコールし始めるべきではないということを意味する。
例:試合序盤で微小なトラベル・インフラクションをコールしなかったのであれば、試合終盤までコールするべきではない。
- 1.3.10. ルールの違反がプレイの結果を左右するほどに重大である場合、もしくは選手の安全を脅かす場合にのみコールをすること。
解釈:重大な反則に対してのみコール
事象:距離や時間における少々のずれを含む寛容できる重大でない反則を選手は許容すべきである。
例:スローワーが正しいピボットポイントから 1cm ずれた場所に軸を置いたとしてもトラベル・インフラクションをコールするべきではない。
- 1.4. 競争心の高いプレイは奨励されるが、対戦相手を敬う気持ち、ルールの遵守、選手の安全性、プレイを楽しむ気持ちを忘れてはならない。
- 1.5. 「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」に則ったアルティメットに相応しいと考えられる行動を以下に示す。
- 1.6. 「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」に反した、選手がとってはならない行動を以下に示す。
- 1.6.1. 相手に危害を及ぼすような危険なプレイや、他の選手に対して攻撃的な態度をとること。
- 1.6.2. 意図的にファールをしたり、ルールに違反したりすること。
- 1.6.3. 相手チームを嘲ったり、威圧したりすること。
解釈:相手への威圧
事象:例えば、キャッチしようとしている相手の気をそらす意図により大声で相手に叫ぶことは威圧的な振る舞いであるとみなすことができる。前にいる人に声をかけるような通常な試合において起こることは威圧的であるとはみなされるべきではない。
- 1.6.4. 得点後に、相手チームに対して礼を欠いた行為をすること。
解釈:得点後の礼の欠いた行為
事象:相手に向かって直接ディスクを投げつけたり、嘲ってディスクを相手に見せつけたりすることも含まれる。これらの振る舞いは避けるべきである。
結果:相手チームのキャプテンとスピリットキャプテンはスピリットに反する全てのことについて議論して、起きないように対処しなくてはならない。
- 1.6.5. 相手チームからのコールへの仕返しとして、コールをすること。
- 1.6.6. 相手チームにパスを要求すること。
- 1.6.7. その他勝つために手段を選ばない行動。
- 1.7. チームには、「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」を尊重した上で、以下のことが求められる。
- 1.7.1. チームに対し、ルールや良いスピリットについて責任を持って教えること。
- 1.7.2. 「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」に反した行動をとったチームメイトに対して注意すること。
- 1.7.3. 相手チームに対しても、彼らの取組みの良い点や「スピリット・オブ・ザ・ゲーム」をより尊重するための方法について、建設的な意見を提供すること。
- 1.7.4. スピリットに関する問題の解決のために、必要に応じて「スピリット・ストップ」をコールすること。
Steinarのコメント(非公式!):Spirit Stoppages
A13 in the WFDF Appendix include more information about spirit stoppages (or “spirit timeouts”, as they as often informally called). Of course, not all tournaments play under the Appendix, but in the absence of other information, following the procedure there is probably uncontroversial.
- 1.8. 初心者が反則の起きた場面に関わっていたが、ルールがわからない場合には、経験者がその反則に関する説明を補助しなければならない。
- 1.9. 経験者は、初心者や若い選手を含む試合において、ルールや試合中の協議に対するアドバイスをすることができる。
- 1.10. コールは、直接プレイに関わっていた選手及びそのプレイを最も良く見える位置にいた選手によって話し合われなければならない。
解釈:選手でない人から意見を要求
最終的にコールをすることは選手次第である。コールに関連する選手によって要求されない限り、選手でない人はコールに関して助言を与えてはならない。
もし、プレイが止まり、インジャリーや言語的制限などの要因によってコールができなくなった場合は、チームメイトが味方に関するコールをすることができる。
チームはプレイの中断中にコミュニケーションを取る手助けをするために選手でない人を通訳者として使うことができる。
解釈:電子機器の使用
可能であれば、選手はコールに関する写真やビデオ映像を見てもよい。ただし、この確認のために正当な理由なくプレイを遅らせてはならない。詳細は付帯資料を見てほしい。
補足:例えば、会場にあるリプレイ映像はコンテストされたファールのコールを解決するためにのみ使われる。ただし、選手が特定のプレイをスクリーンのリプレイの映像にて要求することはできない。映像を見た後でも選手間で同意が得られない場合、何回も見直して試合を遅らせるべきではない。つまり、通常通りコンテストとなったファールとして扱うべきである。
Steinarのコメント(非公式!):Showing vs. describing photos
There's a subtlety in this annotation: If you have photos or video, you cannot say “I have photos where you were clearly out”. You have to show them the photos and let them make up their own mind; often, it turns out different people can easily see different “very clear” things from the same photos.
Steinarのコメント(非公式!):Extra rules from the appendix
If you are playing a tournament under the WFDF Appendix, there are additional opportunities for advice from the sideline:
- Captains, spirit captains and coaches can enter the field during stoppages to encourage their teammate to change their own call, but only to their own disadvantage (A10.1).
- Team members on the sideline can give advice based on photos or video (i.e., without showing them to the players on the field; see previous comment), but again only to their own disadvantage (A11.1.1).
- 1.11. すべてのコール及び解決策に関して、コールをした選手とキャプテンが責任を持つ。
Steinarのコメント(非公式!):Spirit captains
It is unclear whether “captains” includes spirit captains or just means both teams' team captains, but my interpretation is that a spirit captain would often be fine to send out instead of the captain. There probably should not be six people discussing a call, though.
Steinarのコメント(非公式!):Game advisors
Certain high-level WFDF tournaments include game advisors, but they are not referees and not USAU observers; they can give rules explanations and their own perspective when asked, but do not make rulings of any kind and cannot move on the field during play (see B6.3 in the appendix). Please do not call them observers. USAU observers can make certain active calls and on request make binding rulings on disputes.
解釈:キャプテンによるコール
プレイに直接関与していないならば、キャプテンもプレイを止めるコールをするべきではない。ただし、プレイが既に止まっているならばキャプテンはコールを解決するために関与することができる。
- 1.12. プレイ中のコールやその他の問題に対し、協議の結果として双方の合意が得られない場合、もしくは以下の事項について確証がない、あるいは明白でない場合には、協議が発生する直前にディスクを所有していた選手にディスクを戻さなければならない。
解釈:コールや問題が発生する直前に何が起きていたかの議論
同意を得られずスローワーにディスクを戻す前に、選手たちはプレイで何が起きていたかを協議するべきである。関与している両選手は起こったと考えることを明瞭に説明し、相手やプレイをよく見ていた選手の意見を聞こうとするべきである。
もし協議が言語的制限により困難である場合は、何が起こったかをジェスチャーや再現で示すべきである(例:ディスクをキャッチしようとしている際に相手の手が当たっていることを見せるために後ろの手を自分自身に当てる)。チームは中断中に選手でない人が通訳としてコミュニケーションを手助けすることが出来る。
何が起きたかを正確に把握できない状況が起きること(例:誰もよく見えた人がいなかったり、速すぎて何が起きたか把握できなかったりすること)がある。「プレイに影響した」かどうかを決められないこともある。これらの状況において、協議が発生する直前にディスクを所有していた選手にディスクを戻すべきである。
協議はコールを受けいれるかリトラクトされるか、できるだけ簡潔にするべきである。ただし、解決策が見いだせない場合は協議が発生する直前にディスクを所有していた選手にディスクを戻すべきである。協議のための中断は最大 45 秒間である。詳細は付帯資料を見てほしい。
Steinarのコメント(非公式!):Reading from cover to cover
If you are entirely new to the rules, reading them from start to finish probably isn't the best way to go; they are long (more than 50 pages!), and some things are presented out of order.
The most relevant rules probably start at section 7, and you may want to skip advanced sections such as section 16 until you've understood all the others. This is not to say the other rules are not important—they are! But you will probably get a better understanding if you are willing to skip around a bit.